2カ月でなんと骨折2回!崖っぷちカーセールスライターの左手ブログ!

もう、車業界に身を置いて、22年になります。「カーセールスライター」というのを最近始めて、もう20数件のお仕事をさせて頂きました。ですが、7月に右足かかと粉砕骨折、10月1日に右肘開放骨折。セールスライターであり、現職の職人でもあり、車業界20年にして最大のピンチを迎えた最近、始めたブログです。こののび太のような状況を笑い、車業界などの話しを中心に楽しんで下さい!

「主役がお客様ではない??」

私が昔勤めていたカーショップは、

 

「売上至上主義」で、

 

なんせ毎日毎日、社長が車を売れ、車を売れとうるさかったのです。

 

私は、お客様を見る主義でした。

 

商談が進み、車が売れそうな雰囲気に

なっても、

 

「このお客さんは、まだこの車を買える段階にないな」

 

そう感じると、商談をだんだんと

はぐらかし、お客様を帰していました。

 

商談ルームは、カーショップの2階にあり、

監視カメラで撮影されていました。

 

もちろん、カメラでの映像は、

社長室に中継で映し出されます。

 

これが当時、私は本当に嫌で、

監視されながら商談するのは、

ストレスの溜まる仕事でした、、。

 

ここでも私は、お客様を商談しながら

よく観察し、

 

今後とも長くお付き合い出来そうな

顧客になりえるか、

もう買える段階になっているかを

判断しておりました。

 

マーケティングの観念からいっても、

これは至極当然な行動です。

 

ここで私が判断して、お客様を商談ルーム

から帰すと、決まって社長室に呼び出し

されます、、。

 

「何故お客さんを帰した!?」

 

「お客さんが家族に黙って、衝動買いしそうだったからです。今商談しているのはアメ車ですから、家族に相談して、金額的にも問題無ければまた店にお越し下さいと帰しました」

 

「アホか!客を一回帰したらもう戻ってけーへんで!」

 

「でも、お客さんは二十歳前後の若い男の子ですし。まだ学生でローンも組めませんし。親御さんから資金が調達出来るかの相談が必要でしょう!?」

 

「お前ホンマにアホやな!商談ルームから電話で聞かしたらエエやろ!俺らの仕事はなんや!車を売ることや!車を売らな、店も維持出来へん!お前らの給料も出ーへん!」

 

社長と店長の二人に挟まれての、説教です。

 

あなたは、どう思いますか?

 

店を維持する為、毎月社員に給料を払う為に、どんな状況であれ、お客様に無理矢理車を売ることが正しいと思いますか?

 

今後の店の運営の事を考えて、

お客様を最適な準備とタイミングに導き、

ベストな商談をする方が正しいと思いますか?

 

マーケティングの観念からすると、

正解は後者です。

 

如何に良い顧客になってもらうか?

 

また、良い顧客になれば、

そのお客様と如何に長く良い関係を

続けられるか?

 

ここが商売の「肝」です。

 

でも、実際は、そんなキレイ事を言ってられない、、

 

毎日毎日、経費を垂れ流して、

店を開けているので、

 

ちょっとでも売れそうなお客さんがいれば、

とにかく売らないと始まらない、!

 

売らないと、今後顧客にもなってもらえない。

 

十分なアフターサービスも提供出来ない!

 

そういった考えもあると思います。

 

というか、そういった思考のカーショップが、今まで大半だったのでは!?

 

ですから、ちょっとでも店の前でお客さんが車を見れば、

 

店の車をお客さんが見に来れば、、

 

とにもかくにも車を売ってきたのでは

ありませんか??

 

お客様が若過ぎようと、車庫に車が入らなかろうと、家族に反対されようと、、。

 

お客様は背中を押して欲しがっている、!

 

その背中を押して、車を売ってあげる事が

我々の使命である。それが、正義である。

 

こんな思考のカーショップが、

今まで多すぎたのです。

 

もちろん、場合によっては、こんな状況の

お客様もいます。こういった場合の商談も

あります。

 

その時は、無理にでも私は車を売ってきました。

 

何故か?それはどんな場合か?

 

それは、そのお客様が素晴らしい方で、

是非ともうちの顧客になって頂きたい!

 

商談していて、そう思えるお客様だった場合

のみです。

 

必死になってそんなお客様を説得して、

商談を進めて、車を売り切った時、

監視カメラで見ていた社長は、

 

「よく売り切ったな~!良い商談だった!」

 

褒めてくれました。絶賛です!

 

ただ、社長は、

車を売ったらどんな商談でも褒めて

くれました。

 

車が売れなかったら、どんな商談でも

社長室に呼び出して説教しました。

 

「売上至上主義」だからです、、。

 

車が売れれば正しい!売れないのは

間違っている!

 

主要幹線沿いの、家賃の高い場所で

カーショップを展開し、

魅力的な中古車を並べている!

 

毎月高い掲載料を払い、雑誌にも

広告を出している!

 

銀行に借金までして、良い車を

仕入れている!

 

車が売れなければ、売れるまで無休で

店を開けている!

 

日展示車両を磨いてピカピカにしている!

 

ここまでしているのに、車が売れないのは

おかしい!お前らの営業力が無いのだ!

 

俺ならお前らの3倍は車を売る!

 

毎日、毎日社長からこんな言葉を浴びせられ

ました、、。

 

ある意味、一理あります、、。

 

カーショップは、車を売る所。

 

そこに車を見に来たという事は、お客さんは

車を買う意志があるという事。

 

そこでお客さんと商談をし、

どの車かを選び、または導き、

車を売る事が営業の仕事。

 

営業であれば、当然、ノルマもあれば、

目標の売上額も持たされる。

 

これを日々こなしていく事が、仕事をする

ということ。店舗を維持する事。

会社を運営していくという事。

 

このような理念が、昔から

我々の車業界には

根強く蔓延っています、、。

 

ここで大きな疑問があります。

 

車を見に来たお客様の意思は??

 

車を買うかどうかを決めるお客様の意思は!?

 

買った車と毎日生活していくお客様の未来は?

 

そうです。

この理念が抱える一番の問題点は、

 

「主役がお客様ではない」

 

ということ。

 

我々車業界に限らず、

どんな会社にも、どんな業界にも、

営業にはノルマや売上目標額が持たされます。

 

まだお客様にも売っていないのに、

まだ月が始まったばかりなのに、、。

 

これをこなす事が、その会社で仕事をすると

いう事。社員であるという事なのです。

 

昭和から続くこういった理念、

もう止めにしませんか?

 

だからどんなお客さんであろうが、

ノルマをこなす為に、

必死で売り込んで来るのです、、。

 

だから客が離れる。車が売れない。

 

昭和から続く、今まで販売手法が

もう通用しなくなっているのです。

 

もちろんこれからも、

売ることは大切です。

売らなければ、会社が続かない。

給料も出ない。生きていけない。

 

私が当ブログで何回も言っているのは、

 

「売り方を変えていこう」

 

という事です。

 

初対面から何時間もかけて、売り込む事は

止めましょう。

 

これは、初めて女性に会って、いきなり

 

「結婚して下さい」

 

としつこく言い続けているのと同じ。

 

こんな手法がいつまでも通用する訳がない。

 

私が敢えてお客さんを帰していたのは、

当時のカーショップの社長に、

マーケティングの概念を

分かって欲しかった為です。

 

けど、そんな概念がひとかけらもない

我々車業界の人間には、

まだ理解してもらえなかった。

 

我々車業界に、この概念が

いつになったら浸透するのでしょうか??