2カ月でなんと骨折2回!崖っぷちカーセールスライターの左手ブログ!

もう、車業界に身を置いて、22年になります。「カーセールスライター」というのを最近始めて、もう20数件のお仕事をさせて頂きました。ですが、7月に右足かかと粉砕骨折、10月1日に右肘開放骨折。セールスライターであり、現職の職人でもあり、車業界20年にして最大のピンチを迎えた最近、始めたブログです。こののび太のような状況を笑い、車業界などの話しを中心に楽しんで下さい!

車の知識、どんどん薄れてない!?

私のカーショップ時代に、実際にあった話。

 

あるお客様が、怒って電話をかけてこられました。

 

「おたくでこの車を買って、3年になるが、ついに今朝エンジンが掛からなくなった!」

 

聞くと、この半年ぐらい前から、

朝一エンジンを掛けて、通勤をする時に、

なかなかエンジンが掛からない時があったそうです、、。

 

お客様は中年の女性。ご主人が車の免許を持っていなくて、毎朝最寄りの駅まで送り迎えをされていました。

 

お客様は、3年前に新車を購入されて、

本日ついにエンジンが掛からなくなったと

激怒されています、、。

 

そりゃ、まだ3年落ちの車がもうエンジンが壊れたのか??

とお客様が怒るのは無理もない。

 

早速積車に乗って、お客様の車を引き取りに向かいました。

 

会社に戻るなり早速、そのお客様の車の点検に入りました。

 

エンジンが掛からなくなる、というのは「3つの原因」があります。

 

①燃料が無い。もしくは、燃料がエンジンに届いていない。フューエルポンプの不具合。

 

②点火系の不具合。プラグから火花が飛んでいない。プラグ、プラグコード、もしくはコンピューター制御の不良。

 

③イグニッション系の不具合。セルモーターが回らない。セルモーターの不具合。接触不良。もしくは、バッテリーの不具合。

 

例外的に、これ以外の原因であることもたまにありますが、大抵はこの3つのどれかです。

 

しかし今回、このお客様の車のエンジンが掛からない理由は、上記のどれでもありませんでした、、。

 

私達には考えられない原因でした…。

 

直接の原因としては、

「エンジンが焼け付いた」事です。

 

では何故、「エンジンが焼け付いた」

のでしょうか??

 

なんと、「オイル交換を全くしていなかった」のです、、。

 

衝撃的でした、、!

 

このお客様の車のエンジンを下ろし、分解してみると、溜まっているはずのオイルはほとんど無い、、。

 

あとは、エンジンのヘッドカバーの裏側に、「岩のり」の様になったオイルの残骸が…。

 

しかも、焼け付いたのは、一番熱のこもりやすい2番ピストン。

 

驚いたのは、新車購入以来、一度もオイル交換をしたことがなかったそうです、、。

 

逆に、3年間出先で止まらずに、

ほぼ毎日車に乗ってこれた事が奇跡です…。

 

後日、お客様に来店して頂き、

お話しました。

 

それで分かった事は、車に興味の無い中年女性や、免許の無い男性方には、

 

ガソリンエンジンの車を維持するには、まず定期的なオイル交換が必要である」

 

という常識が全く無かった。

 

「えっ、オイルという物を交換しなくてはいけないのですか??」

 

これが、点検後、お客様に電話した時の第一声、、。

 

「納車時に、お客様のお車はターボ車になるので、オイル交換は3000km前後で行って下さいと、言いましたよね!?」

 

「ごめんなさい。ちょっとあんまり意味が分からなくて、、」

 

そうなんです!車に興味の無い方からすれば、これは意味の分からない事なんです!

 

小さい頃から、車やバイクの雑誌、記事を読み漁っていた私としては、何故オイル交換を知らないのか、到底理解出来ませんでした、、。

 

何故オイルって交換する必要があるの??

 

そして、「ターボ車」って何!?

 

お客様の頭の中には、こういった疑問点があったと思います。

 

大切な愛車の維持に関するセオリーなので、分からなければ聞いて欲しい。

 

そもそも、免許を取るときにも、

習ったはずです。

 

「人間に置き換えると、輸血が必要で、瀕死の状態にある人に、輸血をしなかったのと同じ事です」

 

私はお客様に言いました。

 

お客様は、顔面が蒼白になり、

初めて事の重大さに気付いたと

言われました、、。

 

私は、車の知識に疎いお客様には、

よく人間の体に例えて説明しました。

 

お客様は、大抵リアルな反応をされました。

 

後は、「ブレーキ整備の大切さ」について、このお客様にも念押しで説明しました。

 

ブレーキを踏んで、変な音が鳴ったり、あまりブレーキが効かなくなったと気付いたら、まず点検にご来店下さいと、、。

 

ブレーキが効かなくなれば、最悪お客様が

事故をするからです。

 

最悪、「人をはねる」からです、、!

 

年々ペーパードライバーが増えて、車の知識のある方がどんどん減りつつある現在、、

 

車という工業機械に乗る際に、

これだけは忘れないで下さい。

 

車とは、「人を殺せる」道具である、、!

 

車を利用する以上、運行前点検、日常点検を怠るなと、免許取得時にも習ったはずです。

 

1トン、2トン近くある鉄の塊を、

60~100km で人間が動かすのです。

 

人を殺そうと思えば殺せるのです。

 

日常点検を怠ると、思っていなくても、

人を轢き殺す可能性もある。

 

ご遺族に原因を問い詰められた時に、

 

「すいません。ブレーキが効きませんでした」

 

では、理由になりません。

 

人を殺す事は無いでしょうが、今回のこのお客様が、もし出先でエンジンが止まって、大渋滞を起こした時に、

 

「すいません。オイル交換を全くしていませんでした」

 

では、渋滞に巻き込まれた人々に弁解出来ません。

 

皆様、社会の一員として、車を公道で利用する時には、最低限の知識は持ちましょう。

 

本当に最悪の場合、知識が無かった為に事故を起こしてしまい、被害者の人生、また貴方自身の人生を変えてしまうかも、、。