「切り替える勇気」、ありますか!?
先日、ある家電量販店の営業担当の方が
自宅に来ました。
私が、今「トイレリフォーム」を考えているからです、、。
数日前にその量販店に訪れた時に、店舗スタッフとトイレの売り場で話していた時に、話の後半で出てきた方です。
限られた展示商品が割引されていたので、ついつい足を止めて、話していました。
そのトイレはと言うと、流行りの「タンクレストイレ」ではなく、タンク付きでも、そのタンクを棚で隠している様なデザインでした。
一瞬、タンクレスに見えるのです、、。
このオシャレさとスマートさに目を奪われました。
ですが、この商品はサイズに規制があると言うのです。
住居のトイレのサイズによれば、棚が付かなかったり、そもそもこの商品の施工が無理だったり、、。
「とにかくご自宅にお伺いします。それで、サイズを計測して、取り付けが可能でしたら、お考え下さい」
担当の方はそう言って、自宅に来ました。
私も、似たような営業経験があります。
お客様が私のいたカーショップに車を見に来ましたが、自宅の車庫に入るかどうか分からない、と言うのです、、。
車は気に入った、車庫に入れば購入したい、という前向きなお客様でした。
「それでは、後日この車でご自宅へお伺いして、車庫に入るか見ましょうか?入れば、ご購入を検討して下さい」
私が後日、そのお客様の家にお伺いする時には、多少入らなかろうが、無理があろうが、店舗を開けて出向いているので、何がなんでも車を売る気でした、、。
行く道中の車の中では、お客様がああ言えばこう切り返す、こう断ればこう切り返す、、
とにかく、数々投げ込まれる、断る口実を潰していくことばかり考えていました。
その商談はどうなったかというと、、
結局ちょっと車庫から車がはみ出したので、コンクリートの車止めを撤去してもらう事で、無理やり車を売り切りました、、。
その分、撤去費用の足しにして下さいと、多少の値引きと、サービス商品を付けて、。
しかし、先日私の自宅に来たその担当は違いました。
「この商品に対して、お客様のトイレのサイズが少し大きいですね。無理して隙間を具材で隠せば付けられますが、見た目が悪くなります。」
「無理をすれば取り付けが出来なくもないですが、あまりスマートではないかもしれません。おすすめはしません」
なんと、私の自宅まで来たのに、取り付けはおすすめしないと言うのです、、!
私達も、その展示商品が十分に安いことは分かっていましたし、気に入っていました。だから、見積りと採寸をお願いしたわけです。
これで寸法が合えば、もう購入を決定しようと思っていたわけですが、、
まさかの、「おすすめはしません」、、。
これが昔の私だったら、どうにか否定的な質問をかいくぐって、商品の購入にお客様を導いたと思います。
それから、その担当は続けました。
「今日は、また別のご提案があります。このトイレのサイズで、右側にすでに棚があるなら、同じメーカーのこのモデルはどうでしょう?」
「タンク回りの飾り棚はありませんが、機能で言えばこのモデルの方が上回っています。逆にこういうシンプルですっきりしたトイレの方が、お客様の住居には合っていると思いますが」
そうてす。合わなかった時の別の提案商品を用意していたのです。
当時の私の商談に置き換えれば、どうでしょう!?
車庫に車が入らなかったので、その車はおすすめせず、店舗にある別の車をすすめる様なものです、、。
とても、その場では商談は決まりません。
まず、別の商談に話を切り替える勇気がありません…。
しかし、その担当はそれをやってのけました。
よっぽど別の商品に自信があって、自分の言動にも自信が無ければ出来ない商談です。
あなたなら、出来ますか?
もう一押しで、お客様が商品を買う気になっているのに、客観的にその商談状況を判断し、あえて商品をすすめない。
売り上げを背負っている事、売れることで自分の成績にも関わってくる事、そんな事を考えると、当時の私には到底出来ない商談です、、。
この担当は、更に別の商品の最終的な金額をその場で提示して、1週間の期限を設けて私達に検討する時間をくれました。
英断ですね。良い商談をしてくれました。
お客様に寄り添い、1週間の考える時間を与える、、。
もしかしたら、そのまま話が流れるかもしれない…。
やはり私には、こんな度胸のある商談は出来ません。
その家電量販店が、企業としてそんな懐の大きい商談を認めているのか?
違うでしょう!?その担当の一存だと思います。
もし商談が流れても、自分で責任を取れるのでしょう。
さてあなたは、ここまでお客様に商談を委ねる度胸はありますか?
これほど売り込みの多い昨今、私はとにかく驚きました、、。
そして本日、最終的な購入決定をしようと、その家電量販店に向かいます…。