「メーター巻き戻し」の真実…
— kamax 8430 (@8430Kamax) 2017年10月6日皆様、いつもご覧頂き有難うございます。
今回は、今だにはびこる中古車業界の闇、
「メーター巻き戻し」
についてです。この事についてリサーチをしている時、早速書き込みを見つけました。
「先日、ネットで中古並行の外車を購入しました。その車の分解整備記録簿には、走行距離:11,300マイルと記入されていますが、オートチェックでVINナンバーで調べた所、日本に輸出される時点では:91,111マイルでした。つまり、その中古車屋は、91,111マイルの車を輸入し、メーターを巻き戻し(-79,811マイル)11,300マイルで私に販売したことになります。実際の走行距離を知って、とてもショックでショックで・・・購入したのは昨年の8月です。売買契約書や保証書などはありませんでした。購入時の走行数を証明できるのは、その中古車屋が発行している分解整備記録簿のみです。
この場合、どのような方法で、車を返却して元金を返してもらえるのでしょうか?」
購入者の方がかわいそうですが、残酷な現実を言いますと、返品及び返金は難しいです。この方は「売買契約書」も交わしてないそうです。その分安かったのでしょうが、こういうトラブルが出た場合、書類が無いのは痛いですね。
後は、「外車である」事です。
正規輸入車であれば、走行距離の管理まで行われていますが、並行の場合、日本に入って来た時の距離が車検証に記載されます。もちろん、修復歴の有無も分かりません。私は鈑金塗装の職人なので、分かりますが。
販売店が、「当社は知らない」と言われれば、それまでです。これからその店とお付き合いするのであれば、対応も変わると思いますが、店側に「良心の呵責」があるかどうか。
実は私も、カーショップ時代、苦い経験があります。
お客様の注文販売で、オークションから対象車種を仕入れました。リストには「走行不明」となっていました。
実車のメーターを見れば、3万km。整備記録簿はありませんでした。実際は何kmなのかと探っていたら、ありました。
タイミングベルトのカバーの上に、シールが。
「〇月〇日タイミングベルト交換 20万km」
約1年前に、20万kmですよ。今は20万km越えです…。
幸い、SUV 車で、エンジンの調子も良かったです。ただ、室内の汚れ、下廻りの錆びやオイル滲み、エンジン部品の錆びなどがありました。距離なりの片鱗が…。
私は徹底的に清掃と補修をし、お客様に披露しました。仕方ありません。
もちろん、お客様には、「走行不明」車として売りました。その説明もしました。
ただ、実際の距離は言えません。売れませんから。
車も綺麗になったし、下廻りもエンジンルームもパッと見た目はピカピカ。まさか20万km越えとは思いません。
私の勤めていたカーショップは、納車の時に何枚も念書を取ります。走行不明の説明をした書類、修復歴の説明をした書類など。
お客様と、納車後にトラブルにならない様にです。「言った、言わない」が一番トラブルになりますから。
しかし、正直に言うと、この書類は店側を守る為の物で、お客様に対する“ガード”であります。お客様には何のメリットもありません。
納車後に、その車を買ったお客様は、行きつけの修理工場で、2回程修理したそうです。
駆動系のオイル漏れ、エンジンとATの継ぎ目のオイルシールの交換など。〇十万…。
「結構修理代かかったで~、ホンマの距離は何万kmなんやろな~?」
お客様に言われました。心が痛いです。
修理工場からも色々言われたと思います。何万km以上じゃないとこんな所修理しないとか…。
もう十数年前の話しなので、お客様も乗っていないでしょう。SUVだったのが本当に良かった。エンジンも車体も頑丈で、持つのです。
「走行距離不明」でお客様に説明して売っているので、違法ではありません。売る前に説明して、納得して買ってもらって、念書も上げた。何も咎められません。
でもね、でもですよ。実際の距離を知っているこちらとしては、ツラい…。納車後の修理は、お客様としても予想外。私も居たたまれなくなって、お客様を誘って1日もてなしました。温泉に、食事の接待ですよ。
やはり、苦い思い出は今でも忘れません。
それは、良い商売とは思えないので。